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フレデリック (著:レオ・レオニ、訳:谷川俊太郎) 

フレデリック

スイミー」で有名なレオ・レオニによるこの作品の設定は、イソップ寓話集の「アリとキリギリス」とよく似ています。小さい頃「アリとキリギリス」を読んで『ちゃんと働いて備えておかないと将来困るよ』という教訓を知った私は、読後、頭の中が疑問符でいっぱいになりました。
何度か読み返して、この絵本のテーマは「ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(受容)」だと解釈しました。『いろんな個性がそれぞれ尊重されていれば、それぞれの役割でお互いに助け合える』って概念を1969年に発表しているなんてもう驚嘆です。さすがレオさん、さすレオです。
イタリア語の原文では、最後のフレデリックの台詞はこのようになっています。
“Non voglio applausi, non merito alloro. Ognuno, in fondo, fa il proprio lavoro”.
「拍手喝采なんて不要だよ、月桂冠も不要だよ。誰でも本当は自分の役割を果たしているだけさ。」