Picture Books絵本紹介

賢者のおくりもの (著:オー・ヘンリー、文・絵:いもとようこ) 

賢者のおくりもの

幼い頃、クリスマスの時期にこの作品の影絵劇を見て、なんとなく良いお話しでありながら、それでいてなんとなく違和感の残る変な感想を覚えた記憶があります。大人になって著者のオー・ヘンリー(本名:ウィリアム・シドニー・ポーター)の辛酸を舐めた経歴を知って納得しました。

著者は、「最後の一葉」でも知られたアメリカの短編作家です。薬剤師・記者などの職を転々とした挙句、銀行勤務中に横領容疑で起訴され、病気の妻と娘を残して国外へ逃亡。妻の危篤を知り、帰国して自首。懲役8年の有罪判決を受け、服役中に偽名(オーヘンリー)で作品を発表、模範囚として3年半の服役で釈放。作家となり毎週1作品を書き続けて、過度な飲酒による肝硬変と糖尿病により47歳で亡くなるまでに500作品を世に残しています。いもとようこさんの絵本も素敵ですが、短編集もおすすめです。