Comicマンガ紹介

アンジュール―ある犬の物語 (作:ガブリエル・バンサン) 

アンジュール

1974年に発表されたとても素敵な絵本を紹介いたします。この絵本には、文章どころか「字」が全くありません。

捨てられた犬の一日をデッサンだけで描いています。モノクロの絵なのに、色も、音も、匂いも、そして犬の気持ちまでも、見事に伝えきっているバンサンの力量に脱帽するしかありません。犬の寂しさが真っすぐ伝わり、胸がキリキリ痛くなってしまう。そしてラストでほっとします。

親子で並んでページをめくりながら、絵から伝わってくる気持ちを共有して楽しむ、そんな絵本です。

題名の「アンジュール」って犬の名だと思っていました。『UN JOUR』とは、フランス語で「ある日」という意味だったのです。そんな恥ずかしい思い出もあるおススメ絵本です。