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どこいったん (作:ジョン・クラッセン 訳:長谷川義史) 

どこいったん

先月に続いて、カナダの絵本作家「ジョン・クラッセン」の作品です。この処女作は世界で絶賛され、次作の「ちがうねん」で、アメリカで最も権威のあるコールデコット賞を受賞しました。
日本の絵本作家「長谷川義史」がシンプルな大阪弁で翻訳表現したことで、シュールな雰囲気が嫌味なく面白くなっています。表題の「どこいったん」は、中国訳だと「我要把我的帽子找回来」なるようです。

ネタバレになるので詳細は割愛しますが、勘のいい大人はゾワっとします。なかなか怖い絵本です。
大阪弁の繰り返しフレーズで語呂が良く、シンプルで癒し系の絵、なじみのある動物たち...と、子どもが好きな要素いっぱいですが、衝撃すぎるラストシーンを考えると読み聞かせて良いものか悩みます。
ただ、ジワジワ感はありますが、語りすぎないバランスが良い絵本だと思います。

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